〜トロイメライ Träumerei 4月号〜
ツヴィッカウを流れるムルデ川
第1回目は、シューマンの生まれた街、ツヴィッカウ(Zwickau)についてお話ししましょう。シューマンは1810年6月8日に東ドイツの小さな街、ツヴィッカウで生まれました。
今では4年に1度、この街で「シューマン国際コンクール」が開催されています。このコンクールを受けに去年、私もツヴィッカウを訪れましたが、穏やかな川の流れる静かで美しい街でした。ここで200年前シューマンが生まれ、少年時代を過ごしたのだと思うと、とても感慨深いものがありました。
当時、街の中心部にシューマンの生家はありました。シューマンの父は 本の出版業を営んでおり、地元の名士でした。シューマンが生まれた頃、 一家は比較的豊かに暮らしていたようです。
シューマンの生家
現在はシューマン博物館
現在はシューマン博物館
恵まれた家庭環境のもと、シューマンは明るく活発な少年に育ちます。 父の影響で文学に興味を持ち、仲間と文学サークルを立ち上げたりしていま す。もちろん音楽の才能も示していましたが、当時のシューマン少年は、 将来の夢を音楽家にするか、作家にするかでずいぶん悩んでいたようです。
それでは、次号ではそんなシューマン少年が書いた詩や小説をご紹介します!