〜トロイメライ Träumerei 1月号〜
第10回 《謝肉祭》 作品9 〜その1〜
<< - 2010.01.01 -

明けましておめでとうございます!2010年はシューマンが生まれて100周年のシューマン・イヤーです。今年もどうぞよろしくお願いいたします。去年はシューマンの生い立ちから、作曲家そして評論家としてのスタートを切るところまでご紹介しました。今年初めての記事は、シューマンの初期作品の代表作である《謝肉祭》作品9を数回に分けて特集します。

謝肉祭という言葉は日本ではあまり馴染みがありませんね。カトリックでは、断食などの節制をして日頃の行いを悔い改める「四旬節」という期間がありますが、その前に行われるのが「謝肉祭」です。謝肉祭では、禁欲的な生活に入る準備として、大いに飲み食い、仮装してどんちゃん騒ぎをすることが許されています。謝肉祭は英語でカーニバルと言いますが、その語源の一つはラテン語のcarne vale(肉よ、さらば)に由来すると言われています。ドイツ語圏ではカルネヴァル(Karneval)、ファッシング(Fasching)、ファストナハト(Fastnacht)など地方によって様々な呼ばれ方がありますが、ファストナハトというのは「断食の(前)夜」という意味ですから、まさに四旬節の断食の前に行われる祭りであることを意味していますね。

ちなみにシューマンは《謝肉祭》作品9の他に《ウィーンの謝肉祭騒ぎ》作品26という曲も書いていますし、厳密に言えば謝肉祭ではなくても仮面舞踏会を題材にした曲には《パピヨン》作品2、《ダヴィット同盟舞曲集》作品6などがありますから、お祭りの非日常生や、仮面の持つどことなく秘密めいた部分に魅かれるところがあったのだと思われます。事実、今回取り上げる《謝肉祭》作品9にはたくさんの秘密が隠されているのです。詳しくは来月以降見ていきましょう!

※写真はドイツの謝肉祭の様子。

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