〜トロイメライ Träumerei 12月号〜
今月は、シューマンがウィーンを訪れてから50年以上後の「ウィーン世紀末」と呼ばれる時代の個性的な建物をご紹介します。
アカデミックで保守的な芸術を嫌った画家のクリムトらによってウィーン分離派が結成されました。官能的なテーマを数多く描いた彼らの作品は、甘美で妖艶であると同時に、常に死の影があると言われています。ウィーン分離派は、オーストリア近代建築の誕生も促しました。その代表的な建築家がオットー・ワーグナーやオルブリッヒです。動植物や女性のシルエットなどをモチーフとし、柔らかい曲線美を特徴とするこれらの建築様式はユーゲント・シュティールと呼ばれ、ウィーンの街をひときわ美しく、個性的に彩っています。みなさんもぜひ探してみてください!
オットーワグナー設計のカールスプラッツ駅
オルブリッヒ設計のセセッション館